クィーン

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史実 イギリス映画「クィーン」あらすじ・感想・レビュー

1997年5月に投票がスタートしたイギリス総選挙に、国民は新政権誕生への期待を寄せていました。選挙権を持たないエリザベス2世でさえその気持ちは同じで、開票結果を固唾をのんで見守っています。党首として労働党を勝利に導いたトニー・ブレアとは就任式で顔を合わせることになり、ウィンストン・チャーチルから数えて10人の首相就任を見届けた歴史の生き証人です。元皇太子妃のダイアナ・フランセスの訃報がパリ大使館から舞い込んできたのは、その3カ月後の8月の終わりのこと。チャールズ皇太子との離婚の際のスキャンダルにはマスコミの報道が過熱したこともあり、イギリス王室へのバッシングは収まりません。有事におけるリーダーとしてさっそくその手腕を試されることになったブレアは、ダウニング街10番地に献花台を設置します。人種・思想信条の違いを問わず国内外から多くの花束が届けられたのも、いまだに彼女が「プリンセス」として愛されているからでしょう。国を挙げての盛大な葬儀を計画しているロイヤルファミリー、身内だけで静かに見送りたいダイアナの親族。双方の主張に挟まれるかたちとなったエリザベスは、バッキンガム宮殿で難しい対応を迫られることになり...